著書バートン・マルキール。

結論から言うと、中~上級者向けの本であるため投資初心者にススメないだけであって、本自体は投資家必読の名著であることには間違いありません。

45年前に出版され最新は12版も続き、500ページにも及ぶ圧倒的なボリュームで綴られており、何度も改定されては投資家を唸らせ続けている一冊です。

ランダム・ウォークとは

ランダム・ウォーク、つまり未来は予測不可能であり、株の世界には常にバブルがつきもの、ということを言い表しています。

東インド会社に始まり、オランダのチューリップバブルから手を変え品を変えあらゆる投資バブルは人の手によって造られては、踊らされる歴史を繰り返しています。

日本も例外ではなく、1990年前代にはバブル絶世期を向かえ当時の首都圏の地価総額で、アメリカ全土が購入できるほど、膨れ上がります。高騰率はなんと75倍にも及びます。

アラフォーの方は就職氷河期時代を体験した世代であり、この失われた20年がいかに、つらく長い時期であったかは、ご存知の通りかと思います。

その間に2度の政権交代が起こり、ようやくアベノミクスという経済カンフル剤をバラ撒くことで、上昇の兆しに至ったのです。


しかし、いずれもバブルの発端も本の些細な、しかも一見バカにも見える取るに足らないことから始まっており、本著は各事例の発端と顛末に至るまでが上手な皮肉交じりに綴られており、常々投資家における冷静さが大事かを教えてくれます。

バブルが発生する原因

続けてそれらのバブルの影には、一儲けを目論む証券会社や、偽情報を垂れ流すメディアにもその要因があると筆者は説いています。

エンロン株からサブプライム住宅問題に至るまで、どうして予見できなかったのか、

彼らは、危険を察知していた人々の声をいかに矮小化させ、群集を投機へ駆り立てていく術を熟知しているのです。

つまりは、一度バブルが発生してしまうと、オームの暴走のように人の手で止めることは不可能だということです。

仮想通貨についても、同じことが言えます。

少なくともマスコミが高騰のニュースを続けている間は、安心して手を出せる投資対象ではない、と管理人は考えています。

ETFの強さ

ファンダメンタル、テクニカル、ファンダテクニカアルと、プロを始めあらゆる分析が日夜研究されていますが、結局のところ、インデックスに勝てないという事実があります。

上記を示唆するデータとして、
  • リスクとリターンは正比例し、投資期間が長いほどリターンの変動幅は低下する
  • ドルコスト平均法はリスク軽減になり、定期的なリバランスが望ましい
と述べられています。

また適度なベータ値を保つリスクを抱えて、ポートフォリオを厳格に運用したとしても、ETFのパフォーマンスを上回るファンドは、1社のみという結果であったと記されています。


つまり、ETFってこれらがすべて自動的に行われている商品であり、買って放置するだけの最高の選択という結論に至ります。

実際、管理人もこの本を読んでポートフォリオにS&P500連動型のETFを組み入れるようにしました。

 



株、債権、政府短期証券、ジャンク債、インフレ調整国際と様々な商品の説明や、金やREITといった商品に分散するべき理由も詳しく書かれており、非常に勉強になります。

まとめ

2ch等の掲示板でよく出回る投資コピペの出典となっている名文が多く、いかにこの本の影響が大きいかが良くわかります。


過去を遡ると、10年に一度は不況が起こっており、以前のリーマンショックの2008年から、2019~2020年がその節目あたりであることから悲観論が漂っていますが、結局はそういった大局を見極められる投資家になるしか生き残る道はないのです。

本著を読むことで、過去の悲惨な大暴落事例に対する耐性を、簡単に身につけることができるのは大きなメリットになると思いますし、身につくまで何度も読み返す価値のある本だと思います。


また小粋なアメリカンジョークが随所に散りばめられており、読み物としても楽しめますので、気になる方は読んでみてください。




敢えて初心者の方にオススメするのは、こちらです。



最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
ポチリお願いします。ぺこり。 にほんブログ村 株ブログへ
にほんブログ村