こんにちわ。

アクティビジョン・ブリザードという米国大手ゲーム制作会社の紹介記事です。

テクノロジーのセクターに属し、マルチメディアソフトウェアという職種に属します。


アクティビジョン・ブリザード(ATVI)

フランスのヴィヴェンディというゲーム会社と、Atariの正統な後継者企業であったアクティビジョンとの合併によって2008年に設立され、現在カリフォルニア州に本拠地を置く企業です。

FPSと呼ばれるの一人称目線のガンシューティングゲームを得意とし、代表作には累計2億5000万本の売上を誇る、コールオブデューティーシリーズがあります。


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圧倒的な臨場感と緊張感のある市街戦が醍醐味でもある最高峰FPS。毎回シナリオも重厚で辞め時を失うタイトル。

2015年にキング・デジタル・エンターテインメントを59億ドルで買収した甲斐もあり、2019年には同ゲームのモバイル版も無事リリースされています。


Destinyやウォークラフト、キャンディクラッシュ、ディアブロ、日本でも大きなファンを獲得したオーバーウォッチシリーズといった主力タイトルも多く抱えている米国屈指のゲーム制作会社であり、意外なところで上海(麻雀牌のソリティア)も同社のタイトルだったりします。

事業部も旧組織をそのまま生かしており、アクティビジョン、ブリザード、キングの3事業をそれぞれ独立している形をとっています。


S&P評価はBBB+、連続配当は9年です。
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昨年は、47%減となる大きな下落を伴いましたが、徐々に回復中。

2010年~2020年の間で最も売れたタイトルトップ10の中に、CODシリーズは7タイトルもランクインしており、ナンバリングタイトルの人気としては圧倒的リピート率を誇るゲームとなっています。

中でも最も売れたタイトルは、2019年最新作のCOD Modern Warfare 2019となっており、シリーズ順を追って販売数は増加しています。

それだけに、過去10年においては株価の伸びは非常に順調に推移していたと言えますが、なぜか日本との相性はあまり宜しくなく、過去に2度も撤退するという憂き目にあっています。

配当について

配当の状況を見てみましょう。
配当(ドル)
2013年0.1900
2014年0.2000
2015年0.2300
2016年0.2600
2017年0.3000
2018年0.3400
2019年0.3700
2020年0.4100

年間配当は0.41ドルで配当率は0.69%、配当性向は16.63%となっています。

増配率は、111.27%と非常に高い数字となっていますが、配当は年1回、です。

かなり数字は厳しいものがあり、配当目当てで投資する企業とは言い難いかもしれませんが、ゲーム会社の殆どは無配ですので、実施しているだけも素晴らしい実績です。

ゲーム制作専門企業という括りでは、事実上同社が米国一位であり、上位にはマイクロソフトと、アップルだけ、ということになります。

それだけ、ゲーム会社が安定した制作を行いつつ配当利益を出して基盤に乗せるというのは、難しい業態であると言えるでしょう。


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成長性

それでは、いつものやつですね。
測定基準期待値判定評価
ROE(自己資本利益率):20%12.40%
EPS(1株利益):5%-0.30%
EPSNextY(来年EPS成長率):5%14.80%
EPSNext5Y(来5年EPS成長率):5%5.25%
EPSPast5Y(過5年EPS成長率):5%10.80%
Current Ratio(流動比率):12.5
Gross Margin(粗利益):30%67.70%
Operating Margin(営業利益):15%24.80%
Profit Margin(純利益):10%23.20%

EPSは1.95とやや心もとない数字ですが、緩やかに上昇してきています。

PER28.73とかなりの人気銘柄と言えるでしょう。

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安定した売り上げを毎年確保するのが難しいため、営業利益にばらつきは出やすいものの、粗利益率は、3年連続で増加となっており、財務基盤は非常に優秀と言えるでしょう。

純利益の高さも、人件費の高い情報技術の業界において、文句なしの高水準の数値です。

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2015年以降、大きく買収のれん代が出ていますが、流動比率の高さも素晴らしい比率で安心感があります。

2019年1~4Qはいずれも、コンセンサスEPSを上回る値となるものの、2018年より売り上げ含め減少となった。

スマホタイトルが主力のキングは、ハードタイトルと異なり恒常的なランニングを稼いでくれると期待していたものの、予想以上となるセールス状況とはならなかった模様。


財務基盤の安定はあるものの、スマホタイトルでもバトルロワイアルが主流となり、パズルゲーは根強い人気があるものの収益率は徐々に低下する傾向にあるため、今後のテコ入れが課題となりそうです。


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まとめ

ここ最近は、フォートナイトや、リーグオブレジェンドを擁するテンセントやネットイースといった中国ゲーム会社がスマホ市場を席巻し、据え置きハードゲームの市場がオワコン化したような風潮もありましたが、ふたを開けてみればSONYはじめ、任天堂もSwitchで完全復活する強さを見せつける結果となりました。

課金競争ゲームもいい加減、飽和状態になりつつあり、日本のスマホゲーム市場も徐々に縮退となっており、2020年発売予定のPS5を始め再びハードゲーム時代の再来も期待されています。



正直なところ、ゲーム業界は投資に不向きです。

なぜなら安定しないからです。

常に最先端の技術を求められ、設備投資額は毎年増加しつつ、人件費も非常に高いため、常にタイトルリリースに向けて120%稼働していないと、死んでしまう回遊魚のような業態であることも原因はあります。

詰まる所、ストックビジネス化しにくい、という決定的な弱点を持っていると言えます。


UBIソフト、エレクトリック・アーツ、テイクツー・インタラクティブなどが競合ですが、他のゲーム会社はマイクロソフトを除き、ほぼ無配当の企業ばかりです。


それだけに、年1回とはいえしっかりと配当を出している同社は財務面も含め、素晴らしいと思います。

きっと株は買わないと思いますが、CODシリーズだけは、絶対に買い続けて支援したいと思います。



【MSFT】ゲームはやや不振ながらも、売上は米国でも3位に入るマイクロソフト。





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