こんにちわ。

日本でもお馴染みのコストコの企業紹介記事です。

会員制スーパーマーケットとしても有名で、大規模な敷地に大量の格安オリジナルブランドを展開する独特の販売スタイルを持つ企業ですね。

実はバフェット銘柄でもあります。


コストコ・ホールセール(COST)

1976年、ソル・プライスによって飛行機格納庫を改造利用した、会員性店舗のプライスクラブをオープンし、次々に店舗の拡大、会員数の増加となる成功を治めていました。

これをきっかけに、ジム・シネガルとジェフ・ブロトマンにより、1983年にシアトルで倉庫型の小売店を創業を開始します。

出店地域への拡大とともに、生鮮、ベーカリー、本、スポーツ用品、宝飾品、家具家電、衣料、ガソリンスタンド、フードコートとあらゆる製品カテゴリーを増加させていくとともに、1985年には売上10億ドルを超え、1997年にはプライス・クラブとも合併し、社名もコストコ・カンパニーから現在のコストコ・ホールセール名義と変更します。

店舗数は787で、米国は547、カナダ100、メキシコ39、英国29、日本26、韓国16となっており、ヨーロッパは英国、スペイン、フランス、アイルランドと、出店数は極めて少ないです。

数少ない会員制スーパーの代名詞でもあり、エグゼクティブ、ビジネス、ゴールドスターの3種類の会員資格があり、全体のカード保有者は1億人を超えています。

そのため、顧客のリピート率が圧倒的に高く、店舗は少ないながらも1店当たりの圧倒的な収益性を誇る企業です。


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コストコと言えば、この天井までそびえたつパレット積み販売。国内店舗減0の魅力の1つとなっている。


その収益率の高さには、オリジナルブランドでもあるカークランド・シグネチャーによる売り上げが大きく割合を占めており、メーカーとオリジナルの巨大サイズのパッケージを開発することでグラム単価でのコストは最安値となるよう価格設定されている。


また物流もメーカーからパレット積みのまま店舗を陳列することで配送コストと、梱包、陳列する人件費を削減する徹底したコスト意識となっています。


安売りを展開する既存のスーパーとは異なる独自路線を築くことで、価格競争や他店競合と争わずに、商品の粗利が低いながらも、商品管理費用は圧倒的に低くすることで、売上を伸ばしている企業です。



S&P格付けはA+、連続配当は16年です。
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市場全体で40%近い下落の中、15%未満の下落率と非常に安定した株価であった。直近1年のベータ値は0.91.


コロナショックの真っただ中においても、日用品、食料品の買いだめ客が殺到したため、短期間で売り上げを大きく伸ばす結果となり、株価も買い支えが入ったことで下げ止まる形となりました。

配当について

配当を見てみましょう。
配当(ドル)
2013年0.3100
2014年0.3550
2015年0.4000
2016年0.4500
2017年0.5000
2018年0.5700
2019年0.6500

年間配当は2.60ドルで0.91%、配当性向は29.56%です。

小売りセクターでは、1~2%前半を占める配当率が多い中、極めて低い部類であると言えるでしょう。

増配率は113.13と良い数字ですが、株価の強さに比例して2桁増配がないのは残念ですね。

株価の伸びが凄まじく、キャピタルゲイン寄りの属性なのかな、と思います。


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中核的なウェイトを占めるプライベートブランド、大ボリュームのディナーロールやパンオショコラなど目玉商品も多数。

成長性

それでは、いつものやつですね。
測定基準期待値判定評価
ROE(自己資本利益率):20%24.30%
EPS(1株利益):5%11.90%
EPSNextY(来年EPS成長率):5%7.72%
EPSNext5Y(来5年EPS成長率):5%6.78%
EPSPast5Y(過5年EPS成長率):5%11.40%
Current Ratio(流動比率):11
Gross Margin(粗利益):30%13.00%
Operating Margin(営業利益):15%3.10%
Profit Margin(純利益):10%2.40%

EPSはこの3年間で5.33から8.26まで上昇。非常に堅調な成長だと言えます。

高価な株価ながらも、PERは33.7と年間通して人気銘柄です。


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営業CFは、若干波がありますが、キャッシュフロー率は年々上昇しており、順当にフリーと利益率が上がっていることが確認できます。


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売上はリーマンショックの10年間以降、一度も売上の停滞もなく、上昇し続けています。

これに関して、言うことはないですね。

小売りにおいて、死活問題ともいえる粗利は小売店セクターの中でも実は最低ランクの数字であり、
ウォルマートでも24%、ホームデポは30%を超えている。

にもかかわらず、ターゲット、ウォルマートの3倍近い時価総額を誇る圧倒的な収益率を誇るのは、会員費が大きい売り上げを占めているからである。


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DEレシオ(負債資本倍率)は、安定して0.4~0.6で推移しており、懸念となる材料はなさそうです。

残念ながら自社株買いは、それほど積極的ではありません。



実にコストコの利益の3/4は会員費であることから、会員の獲得数が伸びえていれば、販売の収支をトントンにするだけで、売りあがっていく仕組みとなっています。

有料カードのランク毎に、世帯年収も高く、店舗へのリピート率、1度の購入金額も高いことがマーケティングでも判明しており、優良カードランクが高いほどメリット、満足度が大きい仕組みを重視させることが、最重要課題となっています。

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顧客満足度を追求する企業体質であり、店舗での買い物を好む客に対してのアピールが大きいという点は、ホーム・デポとも類似した特性だと思います。


同社は広告を殆ど行わず、会員だけのパンフレットを提供しており、これだけで年2%のコスト削減と商品のコストダウンを実現し、コスト意識の強さを売り出しながらも、従業員の給料は他店より最も高くしたり、と福利厚生を強めることで職場ランキングでの上位を誇る。


アマゾンなどはオンラインメインの企業は大量に広告に資金を費やしているが、同社商品の殆どは、口コミで広まっており、プライベートブランドだから安いのは当然ながら、クオリティ、ボリュームといった点で他社にはない商品を提案することをモットーとしている点も評価できます。


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ドリンク代込みのフードコート。普通にレストランと同じレベルで、特大サイズにも挑戦できる。店舗によっては非会員でも購入できる。

まとめ

コストコの顧客はリアル店舗の提案型ショッピングを楽しむリピーターが多いためか、オンライン参入は、かなりの後発でした。

そのためウォルマート、アマゾン、クルーガーに大きく後塵を拝す形となりました。

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2019年の全米小売りランキングでは、3位。


しかし2019年にターゲットが漸くオンラインを充実させることに成功し、株価を倍近くにまで押し上げたことを鑑みると、同社もようやくスタートラインに立ったところと言えます。

2019年度のオンラインの売り上げは、ターゲット、コストコともに70億ドルでしたが、王者ウォルマートは、490億ドルと実に7倍もの差があり、まだまだ成長の可能性はあるとも考えられます。


ちなみにウォーレン・バフェット氏は同社を購入した理由として、プライベートブランドのカークランドに理由があると答えています。

クラフトハインツの2018年間売上は263億ドルであり、コストコのカークランドは390億ドルでした。

「クラフトハインツの商品は人々の習慣であり、100年以上にわたる広告費にも関わらず、たったの750店舗でしか販売されておらず、クラフトハインツはウォルマートやコストコの小売店で競争に埋もれている」

と、同社のカークランドのパフォーマンスの高さと成長性があるとし、今後もあらゆるメーカーパッケージ製品を支配していく可能性が高いと語っています。

なお、バークシャー・ハサウェイのコストコ取得率は0.58%となっています。



小売業界は生き残りをかけた熾烈な競争があり、調べるだけでも面白いですね。

近いうちに、小売りセクターのまとめ記事を作ってみたいと思います。




【TGT】コロナショックで半年ぶりに100ドルを割ったターゲット。



【DG】ダラーゼネラル 100均は不景気感があるほど有利に働く。下落率も低かったDG。




【HD】ホームデポ 株価は大きく下落したものの安定の2桁増配が魅力。




【WBA】ウォルグリーン・ブーツ・アライアンス




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