こんにちわ。
公共事業セクター(特に電力系で水道系を除く)における比較記事となります。
過去に調べた米湖企業に絞って、まとめてみたいと思います。
なぜなら、企業年数が長く、高配当企業が多いからです。
このセクターの特徴として、インフレ期(好景気の末期)に強く、設備投資が莫大であることから常にマイナス決算となっていることが多いです。
コロナショック直前における2019年後半では、ESG投資の影響もありつつエネルギー企業の多くの株価が、みるみる上昇していきました。
そして景気が後退すると現在の様に、一気に需要減退し大きく売られることになり、回復も非常に遅いのも特徴の1つとなっています。
不景気時には電力価格を上げることが難しくなり、価格据え置きが長期化しまうことから設備投資資金の改修も難しくなることも要因の1つです。
そのため、長期保有を前提とするのであれば、バブルがはじけた直後が鉄則となります。
前置きが長くなりましたが、さっそく各社データを見ていってみましょう。
まずは2016年以降の各社の株価チャートです。

いずれも2019年初頭から、順調に株価が上昇傾向にあった。
前述の通り公益セクターそのものが、好景気末期に上昇する特性を熟知していれば2019年以降の過熱した上昇ぶりを察知し、何らかの対策を取れた可能性があるということですね。
中でも大きく株価を伸ばしているのは【NEE】ネクステラ・エナジーでした
僅か1年程の間で100ドル近く上昇しており、2016年から遡ると2.23倍となっています。
上昇の分岐となっているのが2017年初頭なので、ESG投資というカテゴリが浸透する以前より徐々に人気となりつつあったことが伺えます。
次いで上昇率が高かったのは、【DUK】デューク・エナジーで1.19倍、【TERP】テラフォームパワーの1.83倍、【SO】サザンの1.16倍となっています。
最も安定していたのは、【ED】コン・エジソンで1.10倍で、ほぼ平均的に80ドル前後で推移していたことになります。
各銘柄の増配率の結果(平均)です。
増配率2桁をキープしているのは、ネクステラ・エナジーだけでした。
2014年時点の配当は0.725ドルでしたので、6年で約倍になっていることになります。

前半103%が続いていますが、こちらはほぼ毎年の増配が0.01ドル、もしくは0.02ドルということになります。
ちょっと、寂しいというか、定例のようなマンネリ感が出てしまい、単調に感じられるかもしれません。
それなりの株数を持っていないと、大きな雪だるまは作れないことを意味しています。
増配率5%を超えているのは、センプラ・エナジー、ドミニオン・エナジーの2社ですね。
高配当重視するには、このあたりを目指しておきたい所です。
続いては、配当性向も載せておきます。

普段、あまり気にしすぎることもない数値かと思いますが、やはり減配のリスクは避けたいものですよね。
全体的にこのセクターは、投資CFが莫大で流動性も低いために、配当性向も必然的に高めとなっており、平均値でも75%近くあります。
それだけに、無理のない適正配当となっているかを見ておく必要があると言えます。
最も安定してるのはネクステラエナジーで、平均51.6%ですがここ2年近くで上昇し始めています。
ドミニオンは、スキャナを買収した2018年以降、異常なほど上昇しており危険水域をアップダウンしていますね。
そもそもスキャナ自体が過去に2度も減配を実施している企業だっただけに、あまり入れ込みすぎると思わぬ結果になる可能性を示唆しています。
続いては、本業で稼ぐ力を比較してみます。
こちらも現時点での成績をまとめたものです。
唯一、赤点となったのはテラフォームパワーの純利益のみ、10%を下回る結果となっていますが、それ以外はすべて評価点以上の好成績となっています。
中でもセンプラ・エナジーと、サザンの営業利益30%超に加えて純利益も20%超となっていることから、高い収益率であることが判りますね。
面白いことに、ここではネクステラ・エナジーは最下位になっています。
太陽光発電、風力発電ではコスト収益が決して高くない、ということですね。
ESG投資というサイクルが終了するであろう、次の10年後がちょっと怖いですね。
続いてEPSの推移を見て見ます。

直近で、上昇傾向が強いのはセンプラ・エナジーですね。
デューク・エナジーの安定度合いも、素晴らしいと思います。
最後に営業キャッシュフローを見て見ます。

2018年以降の、ネクステラエナジーの伸びが頭一つ抜けている印象です。
先ほどと同様にデューク・エナジーが安定しつつも緩やかな上昇が、見て取れますね。
まとめ
資金に余裕があり、イニシャル、インカムともに高いトータルリターンを期待できるのはネクステラ・エナジーでした。
次点でセンプラ・エナジーといったところですが、両社ともに株価の割に配当がやや低めであるために、インカムゲイン重視の投資を検討している場合には、分が悪いかもしれません。
資金力に余裕のある方向けの銘柄と言えるでしょう。
全体的に平均点以上で抜群の安定感を持つ銘柄は、デューク・エナジーですね。
増配率、株価ともに高い成長率は期待できないものの、堅調でかつ緩やかに上昇しており安心感もあります。
中堅株価で、コスパが良いのはやはりサザンですね。
増配率が薄いものの、手ごろな株価と高い収益性に、無理のないキャッシュフローがあります。
コロナショックが起きる前には、1年足らずで20ドル近くも上昇したので買い増すタイミングをすっかり見失っていたのですが、個人的にもそろそろかなという気がしています。
念のためドミニオンと同じく原子力がメイン収益となっていることから、それなりの高いリスクがあることも承知しておく必要があります。
コン・エジソンは、この比較の中ではやや魅力が薄いように見えてしまいますが、過去5年における株価ベータは最も低く、コロナショックでも被害は比較的少なめでした。
資産を減らしたくない、低成長でも確実な配当が欲しいという堅牢さを求める方には、良いかもしれません。
逆に、リスク承知で高配当狙いであればドミニオン・エナジーという選択になるかと思います。
執筆時(2020年5月末)においては、まだ公共事業セクターは低調で回復のめどは出ていないことから、買いのタイミングであると言えます。
個別記事を参照したい方は、下記からもどうぞ。
【NEE】ネクステラ・エナジーの紹介記事です。
【SRE】センプラ・エナジーの紹介記事です。
【DUK】デューク・エナジーの紹介記事です。
【D】ドミニオン・エナジーの紹介記事です。
【ED】コン・エジソンの紹介記事です。
【SO】サザンの紹介記事です。
【TERP】テラフォーム・パワーの紹介記事です。
別セクターであるレストラン・外食産業のまとめ記事も併せてどうぞ。
最後まで読んで頂き、ありがとうございます。
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公共事業セクター(特に電力系で水道系を除く)における比較記事となります。
過去に調べた米湖企業に絞って、まとめてみたいと思います。
公共事業セクター
管理人は、公共事業セクターが好きです。なぜなら、企業年数が長く、高配当企業が多いからです。
このセクターの特徴として、インフレ期(好景気の末期)に強く、設備投資が莫大であることから常にマイナス決算となっていることが多いです。
コロナショック直前における2019年後半では、ESG投資の影響もありつつエネルギー企業の多くの株価が、みるみる上昇していきました。
そして景気が後退すると現在の様に、一気に需要減退し大きく売られることになり、回復も非常に遅いのも特徴の1つとなっています。
不景気時には電力価格を上げることが難しくなり、価格据え置きが長期化しまうことから設備投資資金の改修も難しくなることも要因の1つです。
そのため、長期保有を前提とするのであれば、バブルがはじけた直後が鉄則となります。
前置きが長くなりましたが、さっそく各社データを見ていってみましょう。
まずは2016年以降の各社の株価チャートです。

いずれも2019年初頭から、順調に株価が上昇傾向にあった。
前述の通り公益セクターそのものが、好景気末期に上昇する特性を熟知していれば2019年以降の過熱した上昇ぶりを察知し、何らかの対策を取れた可能性があるということですね。
中でも大きく株価を伸ばしているのは【NEE】ネクステラ・エナジーでした
僅か1年程の間で100ドル近く上昇しており、2016年から遡ると2.23倍となっています。
上昇の分岐となっているのが2017年初頭なので、ESG投資というカテゴリが浸透する以前より徐々に人気となりつつあったことが伺えます。
次いで上昇率が高かったのは、【DUK】デューク・エナジーで1.19倍、【TERP】テラフォームパワーの1.83倍、【SO】サザンの1.16倍となっています。
最も安定していたのは、【ED】コン・エジソンで1.10倍で、ほぼ平均的に80ドル前後で推移していたことになります。
配当について
増配率2桁をキープしているのは、ネクステラ・エナジーだけでした。
2014年時点の配当は0.725ドルでしたので、6年で約倍になっていることになります。

前半103%が続いていますが、こちらはほぼ毎年の増配が0.01ドル、もしくは0.02ドルということになります。
ちょっと、寂しいというか、定例のようなマンネリ感が出てしまい、単調に感じられるかもしれません。
それなりの株数を持っていないと、大きな雪だるまは作れないことを意味しています。
増配率5%を超えているのは、センプラ・エナジー、ドミニオン・エナジーの2社ですね。
高配当重視するには、このあたりを目指しておきたい所です。
続いては、配当性向も載せておきます。

普段、あまり気にしすぎることもない数値かと思いますが、やはり減配のリスクは避けたいものですよね。
全体的にこのセクターは、投資CFが莫大で流動性も低いために、配当性向も必然的に高めとなっており、平均値でも75%近くあります。
それだけに、無理のない適正配当となっているかを見ておく必要があると言えます。
最も安定してるのはネクステラエナジーで、平均51.6%ですがここ2年近くで上昇し始めています。
ドミニオンは、スキャナを買収した2018年以降、異常なほど上昇しており危険水域をアップダウンしていますね。
そもそもスキャナ自体が過去に2度も減配を実施している企業だっただけに、あまり入れ込みすぎると思わぬ結果になる可能性を示唆しています。
成長性
こちらも現時点での成績をまとめたものです。
唯一、赤点となったのはテラフォームパワーの純利益のみ、10%を下回る結果となっていますが、それ以外はすべて評価点以上の好成績となっています。
中でもセンプラ・エナジーと、サザンの営業利益30%超に加えて純利益も20%超となっていることから、高い収益率であることが判りますね。
面白いことに、ここではネクステラ・エナジーは最下位になっています。
太陽光発電、風力発電ではコスト収益が決して高くない、ということですね。
ESG投資というサイクルが終了するであろう、次の10年後がちょっと怖いですね。
続いてEPSの推移を見て見ます。

直近で、上昇傾向が強いのはセンプラ・エナジーですね。
デューク・エナジーの安定度合いも、素晴らしいと思います。
最後に営業キャッシュフローを見て見ます。

2018年以降の、ネクステラエナジーの伸びが頭一つ抜けている印象です。
先ほどと同様にデューク・エナジーが安定しつつも緩やかな上昇が、見て取れますね。
まとめ
資金に余裕があり、イニシャル、インカムともに高いトータルリターンを期待できるのはネクステラ・エナジーでした。次点でセンプラ・エナジーといったところですが、両社ともに株価の割に配当がやや低めであるために、インカムゲイン重視の投資を検討している場合には、分が悪いかもしれません。
資金力に余裕のある方向けの銘柄と言えるでしょう。
全体的に平均点以上で抜群の安定感を持つ銘柄は、デューク・エナジーですね。
増配率、株価ともに高い成長率は期待できないものの、堅調でかつ緩やかに上昇しており安心感もあります。
中堅株価で、コスパが良いのはやはりサザンですね。
増配率が薄いものの、手ごろな株価と高い収益性に、無理のないキャッシュフローがあります。
コロナショックが起きる前には、1年足らずで20ドル近くも上昇したので買い増すタイミングをすっかり見失っていたのですが、個人的にもそろそろかなという気がしています。
念のためドミニオンと同じく原子力がメイン収益となっていることから、それなりの高いリスクがあることも承知しておく必要があります。
コン・エジソンは、この比較の中ではやや魅力が薄いように見えてしまいますが、過去5年における株価ベータは最も低く、コロナショックでも被害は比較的少なめでした。
資産を減らしたくない、低成長でも確実な配当が欲しいという堅牢さを求める方には、良いかもしれません。
逆に、リスク承知で高配当狙いであればドミニオン・エナジーという選択になるかと思います。
執筆時(2020年5月末)においては、まだ公共事業セクターは低調で回復のめどは出ていないことから、買いのタイミングであると言えます。
個別記事を参照したい方は、下記からもどうぞ。
【NEE】ネクステラ・エナジーの紹介記事です。
【SRE】センプラ・エナジーの紹介記事です。
【DUK】デューク・エナジーの紹介記事です。
【D】ドミニオン・エナジーの紹介記事です。
【ED】コン・エジソンの紹介記事です。
【SO】サザンの紹介記事です。
【TERP】テラフォーム・パワーの紹介記事です。
別セクターであるレストラン・外食産業のまとめ記事も併せてどうぞ。
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